しっくりこないプラン、ピンとくるプラン

先日、リノベーションのご相談を受けました。「いくつか他社さんと相談をしていたのだけれどどうもしっくりこない・・・」という内容。提示されたプラン例もいくつかあったので見せていただきました。

ふむふむ・・・。やはり、といいますか、あまり暮らしやすい感じがしないプランばかり・・・。

そこでその場で「プランを作成するとしたらこういう方向性ですね~」ということをいろいろとお伝えさせていただきました。

「基本的に子供室などの個室は小さくして、LDKの居心地をできるだけ高められるようにそちらにスペースをとりましょう」

「でもただ広くすればいいというわけではないです。居場所を考えて、こういう感じで・・・」

「トイレ配置は動かすことが前提ではないけれど、動かすことでより可能性が広がる場合もありますね。」

「通路に面して収納を考えると無駄なくスペースを使えます」

「風通しがよくなるような工夫をします。外の風を通す、というよりも室内の空気を循環しやすくすれば温度差が少なくなるので・・・」

その他いろいろと説明させていただきましたが、こんな感じのことを、さらさらっとお話しさせていただきました。他社さんのプランではなぜしっくりとこなかったのか?それらが説明の過程ですっきりとしていったようで、よかったです。

さて。

今回、他社さんのプランをみて思ったのが、雰囲気が良さそうに見える図面にはなっているなぁ、ということ。手書き風で、ちょっとラフな感じで、色がうっすら付いていて、影もあって、なんかすごく「オシャレ感」があります。

わたし、こういう図面、あんまり得意ではないので、うまいもんだなぁ、と思います。たぶん、たいていの方がこういう図面をいくつか見せられると、「わぁ、素敵!」ってなるような気がします。でも、よく見ると、全然素敵じゃないんです(苦笑)。

例えば、リビングは広くスペースをとってソファとテレビをおいて、子供室もそれなりの大きさを確保して、キッチン周りはパントリーなんかを設けて少し充実させて使いやすそう感を出している・・・。

いや、まあ、そういう計画の仕方もあるとは思います。でも、現実に、提案された方がしっくりと来ていない・・・。

何がよくないのかというと、「暮らすこと」を深く考えていないんですね。だからプランがただの「パズル」にしかなっていない。

もう、ここで具体的なプランを事例にして、いろいろダメ出しをしたいくらいですが、まあ、そんなことに労力を使うのはムナシイのでやめておこう・・・。

一つだけダメ出しの事例を言えば、リビング周りの収納が基本的にない、ということです。これ、住まいの形態に関係なく、一番考慮されていないことの一つです。新築分譲住宅、マンションはもちろんのこと、下手をしたら一戸建ての注文住宅ですら考慮してないこともあります。

ちなみに、いま、皆さんがよくいるリビングの周辺ってモノが散乱してませんか?で、片づけたくてもあまり片付かないというか、すぐに雑然としてしまったり。

もちろん、その人の性格とか、暮らし方が原因の場合もありますが、そもそも「収納する場所がない」という場合もあります。収納する場所がなければ片付くわけがないんですね。収納する場所があるのに片付かない場合はものぐさなのか、モノが多すぎるのかのどちらかです~(苦笑)。

なのでプランを見るときに、リビングまわりの収納がどのように計画されているか?をチェックすることで暮らしやすさとか、片付く家なのか、ということが少しは見えてきます。なお、収納の仕方、考え方によって計画の仕方は変わってきますから、単純に収納をつくればいい、ということではないことも付け加えておきます。

「なんか矛盾してるような・・・」と思われるかもしれませんが、この辺はいろいろなことが関わるのでムズカシイところなのです。

いつものごとく、話がずれてきた・・・。

え~、暮らし方って、人によっても違うので、決まった答えがあるわけではありません。だからこそ「ステレオタイプな間取り」「きれいに見える図面」「なんとなく大きい空間」というキーワードが当てはまる計画ではピンとこないのも無理はないんです。

ちなみにわたくし、打合せの際に「ここはこうしたい」「ここに収納が欲しい」というように、何か要望が出ても、単純にその要望をすぐに受け入れることはしていません。誤解を与えそうな言い方ですね(炎上しそう・・・・)。

要望を聞くだけならとても簡単です。うなずけばいいだけなのでラクチンですし。でもその理由とか、どうやって使うのか、何を収納するのか、どういうイメージがあるのか、いろいろとその意図については確認しておきたい。

そういうやり取りをしているうちに、今現在、本人が自覚していないまたは意識していなかったことが浮かび上がってくる場合もあるんですね。そういうステップがあると「ピンとくるプラン」になります。

で、もう一つ、ピンとくるプランにするために大事なこととしてはスケール感覚があります。

例えば廊下の幅とか、個室の大きさ、収納のボリュームなど、さまざまな寸法を決める際に、どんな基準できめるのかはなかなか難しい。

で、これがよくあるプランなんかを見ていると、すごくアバウトだったり、そもそもそういうことを考えずに、なんとなくこれくらいの大きさで、という感じで計画していることが多いです。

小上がり畳の詳細図。全体の大きさとか、高さの感覚とか、いろいろ検討することも多いです。

マンションでは限られたスペースを有効に使うためにはかなりシビアに計画することが求められます。でないとスペースが無駄に使われて、暮らしやすいプランにはならないんですね。

全体計画をしつつ、個別のサイズを検討し、それが他の要素とどのように影響しあうかを検証し、それがうまくいかなければプランの方向性も修正していくという作業を行ったり来たりしてまとめていく。

これは戸建てのプランニングにも当てはまることなのですが、マンションリノベーションの場合は一戸建てよりもよりシビアな感覚が必要なように思います。この感覚がよいといいプランができますね。

私たちのスケール感覚は、他の一般的なリフォーム、リノベーション会社とは全然違っていて、これが全く質の違うプランになる理由の一つでもあるなぁ、と思います。

言葉ではちょっとうまく説明しきれない部分もあるのですが、プランにピンとこない場合はN.style建築工房までどうぞ!

この顔にピンときたら110番みたい(笑)。