一戸建てを建てる、分譲マンションを購入する、賃貸で暮らす、いろいろな住まい方があって人によって何が正解かはいろいろですが、私たちは中古マンションリノベーションをおすすめしています。

理由は2つ。1つ目は家づくりにかかる総予算がかなり抑えられるからです。多くの方の給与実態を踏まえると、一戸建てはかなり過剰な経済的負担となります。しかもそのような負担をしたとしても、質のいい家を建てることができていないことも多い・・・。

2つ目は室内を全て解体するフルリノベーションで出来上がる住まい自体が快適で暮らしやすいからです。一戸建てと比べると大きさは小さいですし、いろいろと制限もありますが、それらを補って余りある良さがフルリノベーションにはあるんですね。

しかも戸建てよりも安いからといって質が悪いのではなく、反対に質が高くて快適な住まいにできてしまうんです。

この2つについて、以下詳しくお伝えしていきます。

過剰な負担となりがちな一戸建て

住まいを手に入れるにはそれなりに多くの費用がかかります。なので通常は銀行などからお金を借りて建築費用にあてます。あまりに多くの費用を借りれば生活が成り立たなくなりますから、自分の収入を考えて無理のない範囲で借りることになります。

無理のない借入額はその人の収入によっていくらなのかは違ってきますから金額を提示するのは難しいところですが、下記の表をご覧下さい。

借入条件はその時々で変わりますから、ここでは仮に全期間の金利を1.0%とし、借入年数と借入金額別にまとめました。毎月の返済額がどれくらいであれば無理がないのかはそれぞれの収入を踏まえることになります。

下記の平成26年民間給与実態統計調査(国税庁調べ)によるデータによると年収600万円以下の男性の方の累計は約70%。ボリュームゾーンとしては300万円台、400万円台の方が多い状態。

 

このような給与実態からそれぞれの「無理のない借入額」はいくらなのでしょうか?これには借りる人の様々な条件で幅があります。借りる時の年齢や生活費の掛け方など人により差が大きい部分なので具体的な金額を言い切るのは少々無理があります。

ただ、非常に感覚的ですが、過剰な負担とならない借入額としては2000~2500万円くらいが一つの目安だと思います(金融機関から「借りられる金額」はもう少し多いと思いますが、借りられる金額で考えると過剰な負担となる可能性が高い)。

こう考えるのは、生活していく上では、家づくりの費用以外にも必要な費用がいろいろとあるからです。人により当然違ってきますが、一般的な項目で言えば、子供の教育費用(学費や習い事の費用も含む)、生命保険料、固定資産税、車の買い替え費用、レジャー費などといったところでしょうか。

こういった費用も含めて考えると、2000~2500万円という借入額は、ちょっと安全側かもしれませんが、過剰な負担とならない借入額だと思います。

なお、これは上記の給与所得のボリュームゾーンを踏まえての話ですから、もう少し借りても大丈夫という場合もあるでしょう。

給与所得もある程度は上がるでしょうし、共働きだから世帯年収としてはもう少しある、ということもあるでしょう。大事なことは、家づくり以外のことも含め、無理のない借入額を設定するということです。

以上を踏まえて一戸建ての家づくり総予算を考えてみます。まずは土地に関して言えば土地代金、それにかかる仲介費用、登記費用といったものが必要です。そして、建物の建設費(建設費に何が含まれるかは会社による)。

これ以外には外構にかかる費用、地盤補強が必要であれば補強費、金融機関からお金を借りるのでそのための手数料や、電化製品購入が必要ならそれらの費用も必要ですし、建物が完成すれば再び登記の費用もかかります。引っ越し費用も必要ですね。

先に示したように、借入を2500万円とし、自己資金が多めにあったとして1000万円とすると3500万円が準備できる総予算となります。

この予算で、例えば名古屋市で利便性がいいところだとか、人気の学区の土地購入からの家づくりは、残念ながら、まず無理です。土地費用だけで軽く2000万円は超えます。

少なくとも2500万円以上の予算がないと希望に近い条件が出てこないと思います。残り1500万円で建築費とそれ以外の費用を含めて計画するとなると、「いい家」をつくることはまずできません。

なんとか家を建てることができたとしても、建築のプロから見ると、耐久性のない仕様となっていたり、断熱性や耐震性も最低限であったり、あまり考えられていないプランであったりというレベルの住まいだと思います。

となると郊外の土地が安い地域しか可能性がであればまだ可能性はありますが、それでも建てる家にかけられる費用が決して多くはないので、質が高くて、快適に暮らせるいい家ができるかどうか・・・。

残念ながら予算を抑えて希望の土地を購入することはまず無理です・・・

そもそも住みたい地域は勤務地や子供の学区の都合、実家からの距離などいろいろな条件が出てくるはずなので、単純に土地が安い郊外で建てる、という選択をすればいいと考える方は実際にはあまりいないと思います。

なので現実的には借入額を増やさない限りは希望の地域の土地は購入できません。

建てる家についても同様です。家づくりは夢がいっぱいのイベントですから具体的な住まいのカタチが見えてくると希望がどんどんと増えて想定予算よりも増えていきます。それゆえに過剰な負担になってしまいがち・・・。

でも本来、家づくりは「家を建てること」が目的ではなくて「家族が幸せに暮らせる住まいであること」のはず。だから過剰な負担をしてまで家をつくるということをおすすめしたくはないんです。

お金だけが幸せの価値判断ではないからこそ、お金に縛られにくいような予算の中で家づくりを計画することが大事だと思います。これからその家で「生活」していくわけですから、経済的に成り立っていることはとても大切なことなのです。

以上のことから「戸建て」という家づくりは、両親等からの資金援助がある、自己資金が多い、共働きで世帯収入が多い、副収入がある、というように負担が少なくなるような状態でない限り、あるいは、土地がかなり安い地域でない限り、おすすめしません。

そして、そういう資金的な支援等がないけれども都市部に住みたい、というのであれば、中古マンションリノベーションという方法がよいと思うのです。

中古マンションの購入費とリノベーションの費用を合計しても、一戸建てよりもはるかに無理のない予算で、しかも普通の一戸建てよりも快適に暮らせる可能性と魅力を持った住まいをつくることができるのです。

性能もデザインもいい暮らしやすい家はどうしても高くなる

一戸建てが過剰な負担となるのは短銃に建築費自体がそれなりに高いからですが、高くなる理由の一つが建物の大きさにもあると言えます。

国土交通省のホームページにある「平成28年度 住宅経済関連データ」で「所有関係別一住宅当たり延べ床面積の推移」というデータがあるのですが、東海地方の持ち家の床面積は132.99㎡(約40坪)、全国平均だと122.32㎡(約37坪)となっています。

注意点としては都市部は土地価格も高く、土地面積も小さくなると思われるので、郊外よりももう少し面積は小さくなると想定される点ですね。となるとこれは感覚的ですが、約35坪前後の大きさ位が多いのではないかと思います。

これくらいの大きさの住まいを、高い断熱性と耐震性を持ち、暮らしやすい質のいい設計し、建設すると、それなりの費用が掛かってきます。

費用は会社によっても、つくり方によっても、性能、仕様によっても違うので一概には言えませんが、平均的な大きさの家で、少なくとも2500~3000万円というレベルは見ておいた方がいいと思います。

地域性もありますし、もっと費用の高い事例ももちろんあります。いずれにしても基本的に質の高い一戸建ての住まいは費用がかかる家づくりなのです。

もちろん、高い=質が高い、安い=質が悪いと単純には言い切れませんが、いい家を建てようと突き詰めていけばいくほど、ある程度の費用が必要となるなぁ、というのが、正直なところ・・・。

なので安い場合には安いなりの理由があることは理解しておいた方が良いでしょう。 

ただ。

平均的な大きさではなく、もっと小さくつくれば、コストを抑えつつ、質を高めることができます。

単純に小さくするだけだと狭苦しくて収納もあまりないような家になってしまいますから、小さな家をつくる場合にはかなりの工夫と提案力が必要です。

興味のある方は「どうしても一戸建てがいい方へ」をご覧ください。

なお、私たちが一戸建てを提案する場合は、土地はある、親からの支援がある、などの「過剰な負担とならない予算計画が成り立っている方にだけ」です。

一戸建てと比較したマンションリノベーションの良さ

中古マンションリノベーションをおすすめする理由の一つにマンションの立地条件の良さがあります。

基本的に交通の便がよく、日当たりは周囲に高層の建物がなければだいたいよく、道路からの通行者の視線も基本的にはない(低層階は別として)ので開放的に暮らしやすい。

これと同じ地域で、同じような土地を購入しようとしても現実的には多くの方にとっては手が出ないほど高額です。

これまで私たちが関わってきた事例なので多少の偏りはあるかもしれませんが、中古マンションの価格帯は1000~1500万円。

地域によってはもちろんもう少し高くなりますが、同じような立地条件で、こういう価格帯の土地を都市部で探すことはまず無理です。

都市部で暮らしたい方にとっては、中古マンションの立地はかなり魅力的で、選択肢も豊富なので土地よりは希望の地域を見つけやすいと思います。

もちろん、土地と比べると大きさが小さいので単純な比較はできません。

先の価格帯でのマンションの床面積の平均的な幅としては65~75㎡位。坪数で言えば20~23坪位の大きさですから、一戸建ての感覚だと小さすぎない???という心配もでてくるかもしれません。

この点は設計プランの提案力によると思いますが、一戸建てと違って階段がない、無駄な廊下が減る、ということも考慮すると十分快適に暮らすことができると思います。

土地を購入する、ということに縛られすぎるといつまでも希望の土地は見つかりません。マンションがもつ「環境の良さ」を考えるとどちらがより快適な環境となるか?

限られた予算の中で比較するとかなりのメリットが中古マンションリノベーションの方にあると思うのです。

注意しておくべきこととしては、中古マンション自体が持つ欠点や、ありきたりな間取りからくる住みにくさ、などということが挙げられます。

そのような欠点は表面の壁紙や床板の貼り換えや設備の交換のような簡易なリフォームや性能向上を考えないリノベーションでは改善できません。

防音性能や断熱性能も高める工事と、暮らしやすいプランが組み合わさったフルリノベーションであれば、一戸建て以上に快適な住まいをつくることが可能だと思います。

たぶん、マンションでここまでのことができるのか、というくらいに変わります。

もちろん、一戸建てと比べて比較的小さめですから限界もありますが、暮らし方やモノとの付き合い方をうまく考えれば、実は豊かに暮らすことができると思います。

大規模な工事なので工事費もそれなりにかかってきますが、N.style建築工房では1000~1500万円くらいの予算でリノベーションをしています。

物件の状態と状況によっても、リノベーションの内容や仕様によっても、幅が大きく変わります。15~20万円/㎡が一つの目安とお考えください。

購入費と合わせても、多くの方のボリュームゾーンとしては2000~3000万円で成り立つはずです。大きな金額であることには間違いないんですが、一戸建てと比べるとかなりの価格差になります。

一戸建てにはない魅力が中古マンションリノベーションにはあります。そして、その中でも私たちが提案する「木のマンションリノベーション」ならまるで木の家みたいな居心地のいい住まいが実現できます。

上の写真は同業者の方からも「これマンション!?」と驚かれたくらいの実例です。マンションでもこんなに木の家のような気持ちのいい住まいにすることが可能ですから、一戸建て派の人には改めて検討してほしいです。

そして過剰な負担をしなくても快適な住まいができるマンションリノベーションという家づくりを通じて、豊かに暮らしてほしいと思います。