私たちは小さな家をご提案します

「無理のない予算で最高に気持ちのいい家を」でもお伝えしているのですが、多くの方にとって土地購入をしての一戸建てはかなりの経済的負担を強います。

けれど、土地はある、親からの支援がある、今の家を建て替える、というように土地購入がなければ大きな負担とはならない場合もあります。そうであれば一戸建てという選択も安心ですね。

私たちはマンションリノベーション専門の会社ではあるのですが、実は木造住宅の経験が相当あるので、件数としては少ないのですが(1年に1、2件)一戸建ての住まいを建てることもしています。

いろいろな建て方がありますが、私たちがおススメする住まいは、その敷地に住む人に合わせて、断熱性、耐震性、耐久性といった基本性能が高く、暮らしやすくて居心地もよく、美的センスもいい「質のいい家」です。

ただ一戸建ての場合は建物本体以外にも外構などの工事もありますし、ご要望をそのまま満たしていくとついつい家の大きさも増えていって、費用も増えていきます。

単純に大きくするのは簡単なのですが、その場合、「家の質」という見えにくい部分の予算が削られてしまいがちです。

私たちとしては質を落としてまで大きく家をつくるのは正直、嫌なんです。自分だったらそういう家に住みたくないんですね。

目に見えないけれども、質は快適性や安心につながるから安易に落としてはいけないと考えているのです。だからこの地域では珍しいくらい高い断熱性能(UA値で0.4前後)と耐震性能(基本は等級3)を満たすように計画をします。

そのようなことを踏まえて質のいい家を建てるために、私たちは小さな家を提案しています。

単に小さくすることが目的ではなくて、小さくつくることでコストを抑える分、性能や素材の質を高める住まいをつくることを目指しています。

また、小さな家って実は豊かに気持ちよく暮らすことができるんだ、という私たちの価値観もあります。

単純でわかりやすい、大きくつくる、広くつくる、ではなく、「大きくはないけど使いやすい」「広くはないけど広く感じる」ということを大事にしたいんですね。

子供部屋は6畳欲しい、LDKはとにかく広く大きくしてほしい、収納はたっぷり欲しい、と大きさを求めることが重要な場合、小さな家づくりは向きません。

でも単に大きくすれば子供部屋がよくなる、LDKは広々と気持ちいい、収納が使いやすい、となるのかは別の話です。

そもそも根本的に考えてみると、子供部屋を大きくする目的って何でしょうか?

将来成長して巣立っていくであろう子供に必要なのは、元気に健やかに成長できる空間だと思いますし、LDKがただ広いことであるよりも、家族が自然と集まったり、少し離れていても互いを感じながら過ごせることの方が大事だと思うんです。

収納が大きくてモノをたくさん蓄えることができるということと、収納は大きくないけど必要な場所に適切に収納できて、モノは少ないけど大事に使って暮らせることだったら豊かなのはどちらなのか・・・。

ここで言っているのは価値観の違いでもあるのでいいとか悪いというものではありません。

ただ「暮らし」というものの原点を考えた時に大きくすれば解決できるという考え方から一度離れてみると、選択肢が広がるし、できるだけ小さくした方が実は、家族の関係性のことを考えたり、モノを大事にしたりと豊かに暮らせるような気が私たちはするんですね。

こんな風に考えるのは大量消費、大量生産の時代を生きてきて、大きくて多いことが豊かだ、という価値観の反動かもしれません。

そういう価値観の元で消えていった大事なモノやコトが確かにあって、それはモノを無駄にしない、大事にする、もったいない、という気持ちにつながっているんだと思います。

こんな考え方、価値観に共感していただけたら、小さな家がきっと豊かな暮らしを提供してくれると確信しています。

設計について

設計の手法、見せ方、性能設定などお伝えしたいことは山ほどあるのですが、正直、多すぎます。ここでは「都市部の土地がもつ環境」ではどんな設計をするのがいいのかだけについて簡潔にお伝えします。

基本的に周りに建物が建っていたりして日当たり条件が悪い場合も多くなります。そういう土地で光を家の中に取り入れ、気持ちよく過ごすためには設計の力が非常に重要です。

方法はいろいろありますが、一つのポイントは上部から光をどう取り入れるか?になってくると思います。

下の写真は吹き抜けを設けて2階から光を取り入れるような方法。この場合、冬でも寒くないように高い断熱性能を持っていることが重要です。この住まいはUA値で0.42と、この地域での性能としてはかなり高い断熱性能を持っています。

なのでエアコン一台で家の中が十分暖かくなるほどの性能です。

なお、エアコン一台で温めるためには、引き戸を多用した開放的なプランにすることも重要な要素ですね。

自然の素材が心地よく、耐震性も断熱性も高い快適な住まい

吹き抜けにする小さな家の場合は床面積がもったいない、という場合はすのこ床という方法もあります。光を取り入れつつ、床としても使う。もちろん、同様に高い断熱性能は必須ですね。

ちょっと怖い、という人も中にはいらっしゃいますが、慣れるとそれほどでもないんですけどね・・・。都市部の小さな家では結構有効な方法だと思います。

木を活かす、敷地環境を活かす、高い性能を持つ、暮らしやすい収納を持つ、・・・いろんなキーワードが設計には出てきます。

ここの写真からだけではすべてを感じ取ることは難しいと思いますが、うん、うん、なんか良さそう、と感じていただけたら・・・嬉しいです。

小さな家のお金と住まいの性能のこと

家づくりは様々な条件とご要望が複雑に関連してきます。なのでまず、私たちがご提案する「小さな家」の方向性に共感して頂けるかどうかが大事だと思います。基本の価値観が大きく違うとたぶん家づくりはうまくいきませんから・・・。

家づくりの相談をして、具体的に計画をしてみよう、となったら「予算」と「住まいに求める基本的なご要望」の二つを伺います。それによってその予算の中でどんなことができるか、だいたいの方向性を検討するためです。

例えば予算が少ない場合、かなり思い切った工夫や提案が必要となりますが、その方向性に可能性があるのなら詳しく検討して提案するのですが、あまりに思い切りすぎて、基本的なご要望とかけ離れてしまうようなら意味がありませんし。

なお教えて頂く予算は家づくりにかける予定のすべての予算を伺います。その中には外構費や登記費用、借り入れの手数料といった建築費以外にかかる全ての費用も含めておく必要があるからです。

そうした費用を差し引いた残りの予算でご要望を実現することができるかどうかの計画をしないと意味がないわけです。

私たちの場合、具体的な費用としては「25~30坪位」の計画で「2000~2500万円位」の予算を目安として提案しています。

※ちなみに面積が少ない=建築費安くなるという単純なものでもないです。土地状況とご要望により設計内容が大きく変わるためです。

この費用はただコストを落とす、ということであればもっと抑えることはできます。

・断熱性能はそこそこにする
・耐震性は許容応力度等計算までを実施しない
・室内仕様を落とす
・間取りの細かな配慮を無くしてシンプルなだけにする

という感じにして少しずつコストを抑えていけばいいのです。でも私たち自身がそういう仕様を落とす住まいをよし、とは思えません。

というのも、いまの木造住宅業界での先端を走っている設計事務所、工務店の取組を勉強させてもらうと、やはり性能面のレベル、設計面の意匠性、工夫がすごくて、いい家なんです。そういう家を私たちも提案したい。

そういうレベルの住まいは建築費も高くなりますが、やはりそれだけの価値がある。価格には理由があるわけです。とはいえ、あまりやりすぎれば高くて一般の人には手が出ません。

そういうことを踏まえると、冒頭でお伝えした「小さな家」であれば、性能を高め、仕様も落とさないという方向性で家づくりが可能だと思うんです。

なお費用は敷地状況によっても非常に幅が出てきます。例えばその敷地の高低差が大きければ余分な費用がかかりますし、準防火地域ならサッシの費用もずいぶん高くなります。

敷地状況により窓の数も変わってきますし、内部の計画の仕方、仕様もご要望によって差は出ます。だから単純に「坪単価」で示すことが難しいのです。

でもいくらかかるかわかりません、ではご不安でしょうし、予算が見えなければ計画もできません。なので家づくりのご相談を頂くときには、過去の事例をベースにしてもう少し具体的にお伝えしています。

ラフプランの提案と概算予算を提示してその内容に可能性と期待を感じて頂けたら、より具体的で詳細な計画へと進んでいきます。

この初回の提案までは特別に費用は掛かりません。具体的な計画と大まかでもどんな予算がかかるのかがわからなければ依頼したくてもできないと思うからです。

奇をてらっているわけではないですが、あまり他社さんでは提案しないような家づくりかもしれません。ご興味がでてきましたら、まずは事務所にて話をすることから始めましょう。

 

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