リノベーションって何でもできるの?

ちゃんとしたリノベーションをすれば中古マンションは全く別の住まいに変えることができますが、それはどんなことでもできる、というわけではありません。

マンションによっては工事の内容に「制限」が生じることもあります。制限の種類は構造的なことであったり、マンションに決められたルールからくることであったり、様々です。

基本的には施工をする会社が確認をしたり、不動産会社さんから説明があったりすると思いますが、購入する前に理解しておかないとやりたいことができない場合も出てきます。

ここではリノベーションの際に影響が生じる内容をまとめてみました。

管理規約は必ず全て目を通す

まず確認しておくこととしてはマンションの管理規約です。管理規約にはマンションの住戸内(専有部分といいます)の工事についてのルールが書かれています。

その中で「床材の遮音性能」についての規定があり、おそらくは「LL-45以上の性能を有すること」となっていることが多いはずです。この場合は性能を満たす工事をすればいいので比較的大きな制限ではありません。

ところがここに「フローリングを使ってはいけない」という規約があれば使うことができません。

そういう事例は少ないとは思いますが、マンションによって内容に違いがありますので、購入の前には不動産屋さんに必ず管理規約を用意してもらい、工事をする上での制限がないかを確かめることが重要です。

なお工事をするしないにかかわらず、どんな規約があるのかはちゃんと把握することが重要です。

ペットの飼い方の制限があったり、共用部の利用の仕方など、マンションによっては細かく決められています。大きな買い物ですからここは面倒くさがらずにしっかりと確認してください。

壁構造はプランが大きく制限される

物件に特有の制限もあります。マンションの構造は柱と梁で格子状の骨組みになっていて、床・壁・天井も鉄筋コンクリートで区画されているラーメン構造というものが一般的。柱や梁という出っ張りが室内に飛び出てくるのが特徴です。

出っ張りはあるものの、室内の途中に壁は出てこないので、解体するとがらーんとした広い空間になりますから、壁位置の制限は少なくなります。ただし、天井からは梁が出ているので、梁下の天井高さは低くなります。

築年数が浅いと比較的影響は少ないのですが、古い物件はこの梁下の高さが低い場合が多いです。リノベーション工事の内容によってはかなりの影響がありますから、事前に施工業者との確認をしておく重要なポイントです。

これとは別に壁構造というものもあります。壁構造は柱や梁が室内に飛び出てくることはあまりないですが、室内にコンクリートの壁がでてきます。この壁は構造として重要な壁なので壊すことはできませんから、プランを大きく変えることがまずできません。

なので壁構造のマンションは基本的にはおすすめできません。

多くの場合古いマンションの間取りのままでは今の暮らし方には合わないので、プラン変更ができなければ暮らしやすい住まいへと変えることが、かなり厳しいです。

もしも間取りはそのままで大丈夫、ということであれば別ですが、それが暮らしやすい物件となるかどうかは個別の確認が必要ですね。

なお中にはラーメン構造と壁構造が混合している場合もあったりします。不動産屋さんがわかっていればいいのですが、そうでない場合もあるかもしれませんから、やはり施工する会社に確認してもらったほうが安心です。

PSの位置は変更できない

マンションに特徴的なのが「たて配管」。図面には「PS」と書かれている部分です。上階からの排水管が通っていて、この配管位置は基本的に変えることはできません。

マンションによってその位置も数も違います。少ないと1つですが、3つくらいある場合もあります。この場所によって、リノベーションの際の排水の経路の自由度が決まってきます。

注意したいのはトイレの配管。床から10~20センチくらい上がったところで、トイレの後ろの壁、又は横の壁に排水管が出ていることが多い。高さと配管経路が関わってくるので簡単にはトイレの位置を動かせないし、動かせてもすぐ近くという制限があります。

この点はリノベーションをする会社さんの力量により、できることの差が出てくるところかもしれません。

もう一つ注意しておきたいのがキッチンの換気配管の経路に関してです。キッチンの排気の経路は梁で区画された範囲を超えて排気することはまずできません。

配管経路をカクカクと何回も曲げれば可能な場合もありますが、うまく排気できなくなったり、油がたまったりする可能性があるので基本的には止めましょう。

この内容、一般の方が文章だけで理解するのはなかなか難しいので、計画の段階で施工会社から配管のルートについての説明をしてもらったほうがいいでしょう。

その時、「梁の位置は邪魔しませんか?」と質問すれば、わかっている会社はちゃんと説明してくれるはずです。

反対にこれがわかっていないと梁があって排気の経路が確保できないという問題が生じてしまいます。

制限の確認と判断はやはりプロに任せる方がよいです

なんだか制限がたくさんあって大変そうで、満足できる住まいがつくれるのかな?と不安に感じるかもしれませんが、マンションリノベーションでは様々な制限があるのが普通です。

こういう制限を理解し、そのうえでどんなプランを計画するのか、あるいはできるのかは、実際に計画する会社の力量によるとことが大きいですね。

知識と経験、あとは提案力があれば非常に快適な住まいへと変えることはできますが、物件によってはできないことも出てきます。

なので購入の前には基本的には計画をする会社と一緒に確認をし、物件の特徴を見極めて、方向性やできることできないことの確認をしたうえで購入をした方がやっぱり安心です。

あと、案件としては少ないと思いますが、100㎡を超える11階以上のマンションの場合は注意が必要です。内装の制限が生じるのでやりたいことができない場合があります。

詳しくは施工する会社と相談するといいでしょう・・・・・と今回、施工する会社への確認、相談という内容がいくつも出てきました。

やっぱり制限の内容を一般の方自身で判断するのは難易度が相当高いんです。だからそこはプロを頼った方が安心できると思うんですね。

なので私たちは購入前に同行支援のサポートもしています。とはいえ、いきなりこの物件みて!ではアドバイスもなかなか適切にはできません。リノベーションはの条件、状況によってもどういう選択肢が良いのか、人によって正解がいろいろなんです。

だからこそ、物件を購入する前に、まずは考えていることや条件といったことを整理して、探すべき地域だとか、予算の枠を把握し、リノベーションの方向性もイメージしておくことが重要になってきます。

 

中古マンションの場合、物件による特殊性もあります。安心して物件の可能性を知るためには、リノベーションをする会社による物件の調査が必要です。どんな可能性があるのか?または止めた方がいいのか?

購入する方以上に厳しい目線でリノベーションの可能性について、物件評価をします。

※詳しくは「安心して中古マンションを購入したい方へ」を参照ください。

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