一戸建てに必要な断熱性能~マンションリノベーションと比較して

みなさん、突然ですが、一戸建ての家の断熱性能ってどういうレベルか知ってますか?ずばり、木造住宅の半分以上の家は性能が低く、快適な住まいではないんです。

これ、ちゃんと根拠があって、国土交通省発表の資料からわかります。

住まいの断熱性能を決める基準というものがあるのですが、その基準にどれだけの家が適合しているのか調査したんですね。

下表が調査結果の一部。緑色枠の部分が省エネ基準(調査時はH25省エネルギー基準)に適合している木造住宅の割合です。たったの51%しか適合していません。しかも、ここで定められている省エネ基準ってそれほど高い性能ではありません。

基準自体の適合率が低い上に、より性能の高い家を建てることを目指さない・・・

にもかかわらず51%・・・。さらに言うとこれより高い性能(誘導基準)に適合している割合はたったの29%(黄色枠)です。しかもこの基準自体もそれほど高い性能でもないんです。

ただ、多くの方にとってはこれ、あまりピンとこないかもしれませんね。そもそも性能って何を満たしていれば良いのかよくわからないと思います。そんなに断熱性能って重要?と思う人もいるかも。

難しい話はひとまずおいといて、断熱性能を高めるというのは、家の中で快適に暮らすために行うわけです。その目安は「家の中で温度差があまりない」という環境にすることだと思います。

なぜかというと、家の中に温度差があるとヒートショックで亡くなるリスクが高くなるからです。これは加齢とともに非常に増えていきます。実は交通事故でなくなる人よりも多いのです・・・。

そうならないための性能があればいいわけです。でも数値の解説をすると多くの方がアレルギー反応を示しそうなので(汗)、ここでは簡単な基準を一つ。

それは、住まいの断熱性能はHEAT20で定められたG2グレード程度は満たす」ということです。

この言葉を建築する会社に話をして話が通じるのであればたぶん、問題ない会社さんでしょう。

反対に「何のこと?」と首をかしげるような会社だと不安です。仮にもし知らないとしても、断熱性能について、計算に基づく明確な根拠を示してどんな暮らしができるのかを説明できることが、最低限必須だと思います。

このレベルになると、温度差があまりなく、非常に快適になりますが、そんなに特殊な技術は必要ありません(なお断熱性能は、性能を活かす設計ができることも重要ですが、長くなるのでまたの機会に)。

断熱性だけを取り上げましたが、これとは別に耐震性や耐久性といったことに関しても必要な性能がいろいろとあります。

またその土地に合ったプランを計画し、暮らしやすくまとめるためには設計にも高い能力が必要です。

住まいに必要な様々な性能って、いろいろと勉強するとこれは最低限必要だよね、というレベルのものがあるんですが、今回のように基準を満たしていない住まいの方が圧倒的に多いんですね。

断熱性能に代表されるように、住まいの性能が低い理由の一つは費用が高すぎるからだと思います。まあ、この「高すぎる」というのも難しい所で、質のいいモノを適正な価格で提供するのは当たり前な気もします。

ただ、義務付けられていないからと言って、必要な性能を満たさず、安くつくることってどうなんだろうか・・・と思うわけです。

安くつくることは大事なことですが、安くつくる家の多くは、コスト削減の比重が多すぎると感じます。本質を無視して安さだけを追求している。

そんな家はきっと30年もすると住み続けたいと思うような家にはならないんじゃないか、住まい手がそこで暮らすということに対して、何も考えていないんじゃないか、と思ってしまうんですね(毒吐いてます・・・)。

この点で、マンションリノベーションって非常に魅力があるんです(ようやく本題)。

購入費を含めた家づくりの全体の予算としては、だいたい2500~3000万円程度でかなりの快適な住まいが実現できます(中古物件価格が高くなるともう少し高くなります)。

この予算で得られる暮らしの快適さは土地購入からの一戸建てではまずできません。

限られた予算でも暮らしの質を妥協せずに、それどころか非常に快適に暮らせるという家づくりなんですね。

認知度は高くなっては来ているようですが、まだまだ一般の人には「どうやって進めたらいいの?」「古いって何か不安」という感じでちょっとハードルが高いみたい。

もっと多くの人に知ってもらわないとなぁ、と地道に普及活動に取り組んでいるのでした。

ということで、実はそんな普及活動の一環として、11月29日に名古屋駅近くで開催される「マタニティ&育児フェア」に出店します。

詳しくはまたイベント案内で告知しますのでお楽しみに!

子育て世代の方がこれから迎えるであろう家づくりについて、中古マンションリノベーションの魅力をたっぷりお伝えしていきます。

というわけで、ただいま準備活動で非常にあわただしい。資料作成がなかなか進まず、遠い目をしている毎日です・・・。