収納は「量」では考えない

N.style建築工房は主にマンションリノベーションをご提案している建築会社ですが、それとは別に「小さな家の新築」もしています。二つの違った住まいの提案をしているのは理由があるのですが、それは今回おいといて・・・。実はホームページのアクセス数を見ると意外と人気の記事があって、それは何かといいますと『収納は「量」では考えない』という記事なんですね。これ、実はMENUボタンを押すと「小さな家のツクリカタ」というくくりの中にタイトルだけ用意してあるものなんですね。でも中身がないんです・・・。

実のところ、マンションリノベーションの仕事がずいぶんと忙しい状況がずっと続いていまして、ホームページの記事を充実させるだけの余力がなかなか取れなかった・・・・・というのはハイ、言い訳でございます・・・。すみません。

でもあまりにもたくさんの方がタイトルをチェックしてくれている現状を踏まえて、ここに内容をお伝えしたいと思います(一応、戸建て住宅を念頭にした説明なんですが、マンションリノベーションでの収納にも通じる内容となっています!)。

「収納がたくさん欲しい!」というご要望はたいていの方が望むことだと思います。なので収納をたくさん確保しよう!ということでよくあるのが2階に納戸を設ける事例です。新聞広告にある分譲住宅の間取りを見ると2階に納戸が設けられている例がよくあります。中には4.5畳くらいのスペースがあって大容量の収納!なんてしてあります。

収納「量」としてはかなりのスペースが確保されますが、狭小地などは別として、通常、1階が主の生活スペースとなるはずですから、1階からわざわざ2階に上がって収納する、という収納計画はあまりうまい方法とは言えないと思うんです。

それに「量」についてですが、下の略図をご覧ください。左が4.5畳の収納、右が3.3畳の収納の事例です。衣類を収納することを想定しています。4.5畳の方がたくさん収納できる気がしますが、実は無駄なスペースが多く、比較してみるとそんなに差がない。布団類であれば最低でも75cm以上は欲しい感じにはなりますが、そんなにたくさん布団収納も必要ありませんし、衣類であれば60cm程度、45cmの収納棚ならたいていのものを収納できます。日常生活の細かなモノなら30cmもしくはそれ以下でも十分だったりします。

また事例のように出入口が角にあったりするとコの字型の収納になります。コの字の場合は角部分が使いにくくなる面もありますからそのあたりを理解しておくことも必要です。右の方が面積が約2㎡も小さいのですが、同じような収納量が確保できます。つまり収納は「面積」ではなくて「長さ」をいかにうまくとるかがポイントの一つになるのです。

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戸建の場合に収納を考える時はとくに「大容量の収納」という言葉の雰囲気に騙されず、その収納がどこにあるのか?をチェックしておきましょう。そして収納するものが何か?も考えておくとよいです。上の事例は衣類を想定した比較例ですが、衣類以外の生活に関わる小物などはリビングに近い所に必要です。

生活に関わるものって本当にいろいろです。郵便物、薬、カメラ、スマホ等の充電機器や付属するもの、電化製品などの説明書、パソコンや関連の機器、新聞・雑誌類、子供に関する様々なもの(これが一番散らかる!)、学校からの連絡物、筆記具、はさみ、テープといった文房具類、掃除機、扇風機、電話、本、買い置きでかさばるもの(ティッシュ、トイレットペーパー、飲料水など)、などなど、人によって量も種類も違ってくると思いますが、細かなものがいろいろたくさんあります。

奥行は小さくてもいいので、そういう様々なものを収納できるスペースが1階にないと、カラーBOXに代表されるようなチープな収納をリビングの隅に置く羽目になりますからここはしっかりと考えることが大事。

あと、キッチン周りには小さくても食品庫的なスペースも必要だと思います。食品の買い置きを特売日などでたくさん買う人なんかはスペースもそれなりにたくさん必要でしょうね(笑)。また家電類やゴミ箱なども関わってきますから、そういうスペースの配慮も必要なんですが、分譲住宅の事例なんかを見てるとキッチン周りの計画が実に弱いものが多いですね。

使う場所に近い所に適切な量を確保する、ということに尽きると思いますが、限られたスペースの中でうまく実現するためには全体計画をバランスよく考えることが求められます。もし新築計画をしている最中であれば、間取りが完成したら、今暮らしている住まいの中で目につくモノをどこに収納するかをじっくりと検討してみるといいかもですね。もしもあぶれてきたら、ちょっと収納計画に難あり、ということだと思います。