乾式二重床が必要な理由

乾式二重床にすると配管スペースができるので水回りの位置を変えやすい

マンションでは、防音のために裏にクッションがついている「直貼り防音フローリング」(ダイレクトフロアと言ったりもします)を使っていることが多いです。

直接コンクリート床面に張り付ける商品で、工事費も安く、そこそこ性能もあるのでよく採用されています。

ただし、耐久性に難があり、床材自体も魅力にかける(これはまあ個人の主観なので欠点かどうかは別の話ですが・・・)。

一番の弱点は、リノベーションの際にこの床を使うと、配管スペースの都合により、既存の間取りの水回り位置から移動させる範囲が限られるため、新しいプランを計画する際には制約が大きくなるという点です。

中古に限らず、マンションのプランは画一的で暮らしやすいプランとはお世辞にも言えません。

動線も、使い方も、モノの収納の仕方も「生活のことをちゃんと考えたプラン」には残念ながらなっていないんです。

対面キッチンにしておけば満足でしょ?という感じで、暮らしやすく、という設計の意図があまり感じられません・・・(対面キッチンがダメ、と言っているわけではないので誤解しないでくださいね)。

マンションリノベーションの計画は、窓、玄関、上階からの配管スペースという変更できない位置が決まっているし、梁や柱の出っ張り等もあって制約が多いんですね。

しかも比較的床面積はそんなに大きくないですからそういう限られた面積の中で暮らしやすいプランを考えるのはなかなか難しいんです。

そのような制約の中でさらに水回りの位置があまり変えることができないとなると、暮らしやすい住まいへと変えることはかなり難しい・・・。

そのため配管スペースがある程度確保することができる乾式二重床工法なら、水回りの位置が、限度はあるものの、ある程度ずらすことができます。

下が実際の写真。このようにできるのはリノベーションプランを計画する上では非常に大きいポイントです。

もちろん二重床工法の主目的は基本的な防音性能を高めることが主の目的ですが、プランの自由度を上げるという点で、より暮らしやすい住まいへと変えるためには必要不可欠な工法でもあるんです。

なお古いマンションの場合、鉄管や銅管といった金属製の配管も多く、劣化して水漏れの原因にもなるので、可能な限り取り替えます。

給排水管はヘッダー式樹脂配管に変えます(写真のオレンジ色が給湯管で水色が給水管です)。

その製品の実際の防音性能はどれくらい確かなものか?

リノベーション工事の際、マンションの管理規約でまず間違いなく求められているのが床の防音性能。

たいていは「LL45以上の性能」を求められます。これは「推定L等級」と言われる表示の仕方なのですが、実は平成19年に廃止された表記方法のため現在では使われていません。

推定L等級が廃止されたのは、実験室での試験結果で得た性能が、実際の建物では再現されないことが原因です。

現在ではΔL等級(デルタエルと読みます)表記に変わっていて、音の「低減性能」を示すもので、軽量床衝撃音低減性能を示すΔLL-1~5までと重量床衝撃音低減性能を示すΔLH-1~4までがあります。

どちらも数値が大きくなるほど性能がよくなります。

表記方法が変わってずいぶん経ちますが、いまだに管理規約ではL45とかLL45という表記のままとなっていて、防音に関してはまだまだ認識不足と言えます。

これが下の階への音の問題がなくならない原因にもなっています(なおΔLL4以上であればLL45以上と見なして差し支えないと思います)。

さて、防音性能のデータを測る方法ですが、実際にコンクリート床の上で音を発生させ、発生させた音がコンクリート床の下の階でどう伝わるか?を測定します。

簡単にいうと、何も敷いていない時と防音製品を敷いた時の差を調べるわけですね(実際にはグラフデータは「低減量」で表記されます)。

音は写真のような機械を使って発生させます(軽量衝撃音を発生させるタッピングマシンと重量衝撃音を発生させるバングマシン)。

この実験時のコンクリート床の厚さは200mmで測定することが決まっているのですが、防音製品の中には床の厚さが150mmの場合で測定しているものもあります。

実は150mm厚で測定した方が200mm厚で測定するよりもいいデータが得られるんですね(ちょっとわかりにくいかもですが・・・)。

でも本当は200mmの床で測定した低減量でないと正しい性能を測定していることにはなりません。

なのでその防音製品が示す防音性能データの測定条件はコンクリート厚200mmとなっているかどうかが大事です。

カタログに出ている性能がどんな測定条件で得たデータを根拠としているか?

細かな内容についてデータや根拠を細かく調べて確認をしておくことは大事なことではありますが、これを一般の方がするのはかなりハードルが高い・・・。

結局のところ、リノベーションする会社がこういう音の問題について、どれくらいちゃんと考えていて、実際に正しく施工しているかどうかなんですね。

防音についての話はそんなに複雑なことではないのですが、直貼り防音フローリングの上から新しい床材を貼り付けて騒音トラブルになる問題もなかなかなくならないことを考えると、まだまだ知識不足、認識不足な業者が多いのが現実のようです。

確かな性能と正しい二重床工法―竹村工業のジャストフロア

私たちがおすすめする乾式二重床の製品は竹村工業さんの「ジャストフロアー」という製品です。

すべてのメーカーさんと細かく比較検討したわけではないですが、製品の性能の高さやその根拠がしっかりしている点が安心できます。

このジャストフロアーという製品のカタログは42ページもあるのですが、単なる商品解説ではなく、先に挙げた推定L等級の問題点についてや、試験方法、施工方法、など非常に多岐にわたります。

しかも明確なデータを基に、より厳しい条件というか、正しい条件で防音性能についての説明がまとめられています。

なお先に説明した性能について書かれた部分を掲載しておきます。こんな感じでかなりマニアックで細かい内容がグラフとともに記載されています。

内容をみればわかると思いますが、これをつくっている人の意気込みというか姿勢が強く感じられます。

二重床の施工で大事なこと

ここで大事なのが、実際の工事に際して正しい施工ができているかどうかです。せっかくのいい製品でも、間違った工事をすると所定の性能を発揮できないだけでなく、悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。

工事において一番大事なのが床と壁が接触しないようにする、という点です。隣家のコンクリート壁と床の下地がくっついた状態で床を施工すると、振動が伝わってしまい、せっかく二重床にしてもその性能がちゃんと機能しなくなるのです。

その他、配管ルートを踏まえた全体の高さの調整など細かな点でのノウハウは施工する会社の力量が大事だと思います。

なお、中古マンションリノベーションでは、ここで説明したこと以外にも細かな部分で現状に合わせた臨機応変さ、現場対応力も大事です。

正しい知識と技術をもった会社であるかどうか?ここで解説した内容についてちゃんと理解をしているのであれば安心だと思います。

マンションリノベーションの場合、実際の現場を見たり、勉強会などを活用して知識を得ることも大事です。

「イベント情報・勉強会」なども参考にしてくださいね。

日時の都合が合わない場合は、可能な限り、個別対応もしています。お気軽にご相談下さい。

なおオーナーさんの許可を頂いたうえで、二重床工事のタイミングで工事の様子を見て頂くことも可能です。

興味のある方は下記フォームに必要事項を入力の上、「工事中現場見学希望」とお問合せ下さい。設計仲田から連絡をさせていただきます。

電話で直接話したい場合、事務所不在のこともありますので090-7024-2554までお気軽にご連絡ください!

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