マンションリノベーションのプランってどうやってつくるのですか?

私たちが行うマンションリノベーションでは初めに中身を全て解体して新しく作り変えてしまいます。木造の住宅などと違って支える柱もないので、広い空間の中で比較的自由なプランをつくることが可能となります。

そのためにはまずはその物件の採寸をすることが必要です。採寸するポイントとしてはだいたい下記の内容になります。

・PS(たて配管)の位置
・窓の位置(幅、高さ、取付位置)
・梁と柱の大きさ(高さや出っ張り)
・換気経路とその位置
・エアコンの穴の位置

以上の他にも注意するべきところはあるのですが、ポイントは図面化するために必要な寸法はもちろん、新プランをつくる際に必要となる高さ方向などの様々な情報を全て計測するということです。

その後、下のような図面をつくります。非常に簡単な図面に見えますが、物件にもよりますが、1人で計測すると2時間前後はかかります。

窓、PS、梁などのプランの核となる状態の図面をつくることから始まります。配管経路は記載されていません。

というのもプラン作成の際には平面的な情報以外にも配管や梁の影響など図面からは読み取れない高さ方向に関しての情報も計測しているからです。

「PS」はたて配管の位置のことで移動させることができません。梁位置は点線で記載します。これを元に、事前に確認しておいた住まう人の要望を踏まえてプランを作成するわけです。戸建て住宅のプランと違って独特の難しさがあって、

・梁(天井から出っ張るので)の影響を考慮した壁位置、建具の考慮
・キッチン、トイレ、浴室の換気配管経路を踏まえた水回り配置の計画
・キッチン、トイレ、浴室の給排水配管経路を踏まえた水回り配置の計画

といったことはほぼすべてのマンションに共通の基本的な制約となってきます。

「自分でプランを考えてみたい」という方もいらっしゃるかと思いますが、この制約を踏まえてプランをつくるのはかなり難易度が高く、難しい部分といえます。その上で、プランを計画する際のポイントとして

・暮らしの様々なシーンでの動きをイメージして動線を計画する
・動線上に収納などの用途を設けて空間的な効率を高める
・南北の通風性を高める

といったことを常に意識しています。とくに動線については回遊できる動線とすることを基本としています。

もちろん大きな指針となる要望によっては変わってくる面もありますが、空間的なイメージをしながら、かつご要望を満たしつつ、以前よりも快適な住まいを計画するわけです。

こういった様々な制約を乗り越えてようやくプランが完成するわけですが、この際の完成というのはまだ仮のプランです。

というのもプランをつくっている途中で、違ったアイデアや方法が出てきて、どちらを優先した方がよりいいのか、判断に迷うことがあるからです。

「仮案」とはいえ方向性として間違った提案では満足はしていただけません(参考までにお伝えしますと、これまでプランがしっくりこないという理由で断られたことはありませんので、そういう点では期待にお応えする設計提案はできていると思います)。

「仮案」では設計した意図を伝えつつ、「こういう方法もあります」「このスペースをどれくらい確保するかでこちらのスペースが変わります」「要望を踏まえるとこうなりますがどう思いますか?」などのように、意見や感想をたくさん伺います。

それをすることでそこで暮らす人の個性が出てきたり、暮らしやすさが向上していくのです。具体的なプランを見て要望が整理されてきたり、新しい意見も出てくることもありますからじっくりと意見交換をすることが重要です。

こうしたやり取りを経るとプランの骨格がほぼ完成します。完成したらそれを元に「立体的なプラン」をつくります。

平面で表現されているだけだとなかなかイメージしにくいのですが、立体的にすることでより詳しくイメージできるようになるのです。

実際の大きさを感覚的に把握する際には事務所内でメジャーで示したりしながら、具体的なイメージができるようなやりとりもします。

こうしてようやく最終的な図面が完成します。やり方は会社によっていろいろだと思いますが、私たちとしてはこういう進め方をすることで、非常に暮らしやすく、また住む人の考えがうまく反映できると考えています。