マンションリノベーション工事のトラブル対策

設計の仲田です。

簡易なリフォームとは違って、リノベーションは工事期間が長く、近隣にも工事中の音などでどうしてもご迷惑をかけることになります。

また、マンションリノベーションは一戸建てのリフォームとは勝手が違って、独特の配慮が必要なことも多い。

なのでリノベーション会社であればリノベーションに特有の注意点を考慮して、トラブルや失敗がないような配慮、工夫、対策をするのは当然です。

その対策は会社によっても違いますが、少なくとも抑えておくべきポイントがいくつかあります。

トラブルを回避するためにどんな配慮をすればいいのか?

 

 

どれくらい前から計画すればいいか?

<マンションは工事ができる日時に制限がある>

結論から言えば、入居したい時期の1年以上前にはリノベーション会社に相談をした方がいいと思います。

マンションの場合、工事ができる時間帯は一般的には9:00~17:00が基本です(物件によってはもう少し幅が広い場合も)。

た日曜日と祝日の作業は原則ナシが基本です。中には土曜日も作業禁止という物件もあります。

こうした作業日時の基本をしっかりと守ることは当たり前のことですが、現場管理がおろそかで、職人さんたちへ作業日時に関しての連絡が徹底されていないと、休日に作業してしまう場合があるかもしれません。

この点はしっかりとリノベーション会社に確認をしておいた方がいいですね。

 

この作業日時は戸建ての新築工事現場などよりも作業時間、作業日数が少ないため、必然的に工期も長くなりがち。

入居したい日程がある場合はかなり早めに引き渡しまでにどれくらいかかるのかの確認をしておかないと、希望通りの入居ができないことも・・・。

 

<リノベーション会社の対応力にもよる>

また、リノベーションプランは物件が決まってから作るわけですから、そのための打合せ時間も必要です。その人の状況、ご要望、打合せ回数にもよりますが、通常は2か月以上はかかると思います。

その後、リノベーション工事になりますが、これはリノベーション会社によっても幅がありますし、工事内容によっても違います。

全てを解体してスケルトンにする場合だと2~3か月は最低でもかかるはず。N.style建築工房では3~4か月程度が多いですね。

さらに言えば、工事の着手時期はリノベーション会社の仕事量が多ければ、すぐには着手できない場合もあります。やはり工事への信頼や人気がある会社ですと、それなりの需要があり、場合によっては半年先までいっぱい、ということもありますので・・。

 

<希望する物件がいつ見つかるのか?>

なお中古物件を購入してからリノベーションをする、という場合、希望物件がいつ見つかるのか、いつ購入できるのかが非常に曖昧です。

人気の地域では競争も激しいですし、希望条件によってはそもそも物件数が少なすぎる場合もありますし・・・。

そういうことも考慮すると、できるだけ早めに、気になるリノベーション会社に相談をすることをおすすめします。

 

以上のことから、少なくとも1年以上前には相談をした方がいいのではないか、ということになるわけです。

探す地域と希望の条件によっても物件がなかなか見つからない、ということもありますから早めに動いた方がいいですし、早く動いて失敗することはないですからね。

なおリノベーション向きの中古マンションはやみくもに探しても、安心して購入することはできません。

耐震性や耐久性も含めて安心して探すためのガイドブックがダウンロードできますので、興味のある方は下記からどうぞ。メールアドレス登録のみなのでカンタンです。

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予算オーバーになりがちな追加変更対策

<工事費には何が含まれているのか?>

リノベーション工事は細かな材料の項目が多いし、関わる工事業種もたくさんありますから、基本的には詳細な見積書が提示されると思います。怖いのはその内容があいまいなもの。

例えば70㎡のマンションリノベーションで、基本工事費 「70㎡×150,000円=10,500,000円」としてあって、オプション工事で○○工事が100,000円、というような感じになってる場合。

こういう場合、基本工事にどんな項目が入っているのかがあいまいなんですよね・・・。

どういう工事が含まれていて、何がオプションなのか?

仕様を変更したら、基本の価格から差額として追加、あるいは減額されるはずですが、どう設定されているのか?

そういうことが全く見えないんです。で、こういう見積ってトラブルにつながりやすい・・・。

 

<コストコントロールがしやすい見積書か?>

リノベーション工事をしている途中で、追加したいことや変更したいことは多少なりとも発生すると思います。ではその際の金額がどういう価格になるのか?

基本の工事内容が明確ではない場合、リノベーション会社から「これはオプションです、○○万円です」って提示されたら受け入れざるを得ません。

すると思ってもいないほど高額な工事費になってしまうかもしれません。結果、それがリノベーション会社への不満にもつながります。

 

正直な所、どういう見積書の形であってもいいんです(ちょっといいすぎ?)。

ポイントは工事内容が明確でそれを反映した見積書だということがわかるようになっているか?ということです。

そのためにはやはり、詳細な見積書が必要だと思うんです。項目と工事費がちゃんと掲載されていれば、変更しても理解がしやすい。

例えば追加すれば数量と工事費が増えるわけですし、取りやめたり、仕様を落としたりすれば、工事費がなくなったり、単価が下がったりしますから、わかりやすいわけですね。

これは言いかえると、コストコントロールがしやすいということでもありますね。

 

<契約時の見積内容は希望が反映されている?>

 

詳細な見積書だと枚数は多いですが、内容が明確なのでコスト管理はしやすくなる

もう一つ、追加変更工事が高額にならないようにするポイントがあります。それは契約する際の見積書の内容が、要望を踏まえた仕様と内容で詳細に決められているかどうか?です。

ここの詰めが甘すぎると、契約時は金額が安めの内容だったけれど、その後の追加変更の項目が多くなり、予算オーバーになってしまいかねません。

そういう意味でも基本的な要望が反映された見積書で工事が契約できていることが大事です。

 

リノベーション会社が契約を急ぐあまり「細かい部分は後から追加変更で決めましょう」としてしまうと、追加変更工事費が大きくなりがちです。

それがちゃんと予算を把握していて、適切にコントロールされていればいいんですが、こうしたやり方はうまくコストコントロールできない可能性が高い。

そんなことにならないためには、契約時の金額から大きく金額が増えるような要素がないか?工事内容に含まれていない項目は何か?しっかり確認をしておくことが大切です。

 

中古物件に問題がないかは解体後の確認で

リノベーションの場合、解体する前にできる限りの調査をしますが、当然、壁や天井で隠れている部分は、壊すまではどうなっているのかはわかりません。

実際、全てを壊した後にコンクリートの壁に大きなヒビが生じていた、バルコニーからの漏水を発見した、ということが過去にもありましたので・・・。

バルコニーの漏水であれば外壁のどこかに不具合があるわけで、その修繕は共有部分になりますし、構造部自体も共有部分ですから勝手に修繕してはいけないません。

そうした場合は通常は速やかに管理会社に報告することがまずは大切になります。

 

漏水は雨が降らなければ発見できませんが、構造体の不具合については解体すればわかります。なので基本的には解体工事が完了したら、現地にて立会確認をして、何か気になるところはないか?自分の目で見るといいです。

専門的なことがわかなくても、ひび割れとか、コンクリートが大きく欠けているなどは見ればわかりますからね。是非、解体後の物件はチェックしましょう。

 

バルコニーからの漏水事例。室内側では対処できないため外壁側の修繕が必要ですが、これは管理会社に報告して対処してもらうしかない。

<参考ブログ> 「解体したら不具合が見つかった場合はどうなるの?」

 

工事内容の行き違いを防ぐ

リノベーションの打合せ自体は楽しいもので、プランや事例写真を見ていると期待に胸が膨らみます。とはいえ、実際の工事が問題なく進まないと、計画通りにはなりません。また図面だけではイメージがしにくい部分もあります。

打合せの内容の確認をしつつ、行き違いをなくすためには適切なタイミングで、現場で立会確認をすることが大事です。一度も現場での立会確認がない、ということだと行き違いやイメージとのギャップも生じやすくなります。

おさえておくべきポイントとしては以下の4つです。

<①解体直後>

すでに説明したように、物件の構造部分に不具合がないかの確認になりますので、是非、チェックしておきたいですね。

解体後は配管ルートの確認や床高さの説明などをする上でもいい機会です

 

<②壁の下地ができた時点>

間取りの感じが見えてきますし、動線とか、収納スペースとかのスケール感も感じられて、イメージがしやすくなります。

この時に電気配線の確認や収納部分の詳細、棚の高さなど、内容の確認をすると行き違いが少なくなります。

下地が出来上がると間取りのイメージがしやすくなります。

<③大工工事の完成時前後>

仕上げ以外が出来上がっているので、出来上がりの状況に問題がないか?の確認になりますね。

大工工事完了後は、清掃し、残材を引き上げて仕上げ工程に引き継ぎます。

 

<④クリーニング後>おおむね出来上がっており、残工事に何があるのか、工事内容に問題がないか、などチェックします。

床のミツロウワックス塗りをオーナーさんに塗ってもらうのですが、その際に現場チェックも兼ねたりしてます

 

基本的にはこれくらいでいいと思います。打合せの内容、工事の内容などによってはもう少し増える場合もあったりします。特に打合せをする必要がなくても、現場状況の確認という意味で現場立ち合いをするのもいいことですね。

少なくともここであげた基本のタイミングで現場確認をすることで、行き違いが少なくなりますし、イメージを確かめていけるので安心です。

なお、これはリノベーション会社が主導で設定すると思うのですが、このあたりは会社によっても違います。もしもそうした設定がなければ、トラブル回避のためにも積極的に現場確認をすることをおすすめします。

 

近隣の方への配慮

工事中はどうしても作業音が発生します。特に解体工事の際は一番ご迷惑をお掛けしてしまいます。

そのため近隣の方への配慮として、工事前にちゃんとした挨拶、工事のご連絡は必須です。

工事挨拶の文章のみで済ます場合もあるようですが、少なくとも接しているお隣さんにはできる限り直接挨拶をすべきで、上下左右への挨拶が基本ですが、ナナメ上、ナナメ下の方にも挨拶をするのが当然の配慮だと思います。

N.style建築工房では、曜日や時間帯を変えて基本的には会えるまでお伺いしてます。どれだけ伺ってもどうしても会えない場合もあり、その場合はお伺いした旨の手紙を入れる形としてます。

管理人さんがいる場合は管理人さんにもしっかりと挨拶をして関係をつくっておきます。長期にわたるので、管理人さんといい関係になっておくと何かと助かるんですね。

なおこれはリノベーション会社がやるべきことですし、施主として近隣へ挨拶まではしなくてもいいでしょう。

ただ入居前後には工事中はご迷惑をおかけしました、と一言添えながら入居のご挨拶をした方がよいかと思いますね。

 

 

 

その他にもトラブル回避に関してはいろいろとありますが、大きなポイントについてのみ、まとめてみました。

工事音でご迷惑はかけますし、いろいろなタイプの人がいます。また人が行うことですので、ちょっとした行き違いやミスはつきものです。

なるべく生じないようにする配慮をしつつ、何か問題が起きた時には正直に報告をして、どのように対処をするかをすることが大切だと思いますね。

問題は隠してもなにもいいことがないので・・・。

 

そのためにもちゃんとコミュニケーションをとることが大事だと思います。

陳腐な結論ですが、家づくりは人の関りが強いですし、価値観が強く反映されます。そういう意味ではその人のコミュニケーション能力によってかなり左右される面があると感じます。

だから相談してみて、どうにも相性が悪いなぁ・・と感じることがあれば、ちょっと慎重に考えた方がいいかもしれません・・・。

私自身はできるだけフラットに、自分らしく、謙虚な心持ちでお話してるつもりなんですが、さて、どう評価されているのか、ちょっと不安もあったり・・・(;^_^A

いい関係をつくるには誠実さが大切かなぁ、と思ってます。