西区稲生町 M邸マンションリノベーション
2022年1月竣工
物件概要/南東角/1986年築/82㎡

多くの方とお話ししていると、1980年代の物件はかなり古い、という判断をしている気がします。

もちろん、ある程度の古さはありますが、ちゃんと管理さえされていればそれほど気にすべきことではなく、その分、物件価格がかなりお値打ち感のある価格帯になってきますので、リノベーションをする方にとっては向いていると言えます。

こちらの物件はリノベーション前はカビがひどく、間取りも暮らしにくかったわけですが、断熱補強をし、回遊動線など様々な工夫をして暮らしやすく快適な空間に変わりました。

面積も広めなので比較的、各スペースはゆったりと計画できています。

キッチンはⅡ列型タイプ。作業スペースが増えるのに、キッチンスペースは比較的コンパクトにまとまり、かつ調理時の動線が実は便利。使う人の感覚にもよりますが、Ⅱ列型タイプはもっと採用されてもいいと思いますね。

キッチン横には洗面脱衣室が隣接しており、かつ、洗面脱衣室は廊下へとつながる別の動線があります。こうした2方向動線のあるプランはうまく計画すれば非常に使いやすくなります。

クローゼット収納はよく一つにまとめた提案をするのですが、いろいろな要望とのバランスによっては分散させる場合もあります。

今回はベースのウォークインクローゼットを設けつつ、寝室や廊下にも別のクローゼット収納を設けて、収納量を確保しつつ、使いやすさにも配慮しました。

ベッドではなく、布団で就寝するために押入れ収納があるのもいつもと少し違うパターンです。

あと、こちらのオーナーさんはタイルがちょっと個性的。写真にはないんですが、スライムみたいなタイルがトイレに貼ってあります(笑)。自分の好みを生かすのもリノベーションの楽しいところです。

細かな工夫と配慮をすれば、たとえ築年数の評価が古くても、新築マンションよりもはるかに暮らしやすく、快適な住まいにすることができます。リノベーションの良さがわかりやすく感じられる事例ですね。